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若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』灰色の世界を1人飛び出し、キューバへ旅立った真の目的とは。

灰色の世界を1人飛び出し、キューバへ向かった真の目的に感動と勇気を貰える。

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本書はお笑い芸人である「オードリー」の若林正恭さんが2017年にキューバへ一人旅をした際の感想を綴った旅行記エッセイです。

彼らのラジオ番組である「オードリーのオールナイトニッポン」リスナーであれば、若林さんがキューバへ1人旅をしたことは当時のトークでご存じの方も多いと思います。本書ではラジオでは語られなかった出来事も含めて、様々なキューバでの出来事が旅日記・エッセイ形式で綴られています。僕は本書を読みつつラジオトークを思い返しながら、楽しく読むことが出来ました。ただしラジオリスナーでなくても全く問題なく楽しめる一冊になっているので安心してください。

当時かなりの人見知り芸人であった若林さんと、フレンドリーなキューバ人とのやり取りはクスリとさせられ、弾丸旅行の中で様々な出来事が起こります。時に面白く、時に悩みに共感し、そして読み進めるうちに彼が何故キューバへ向かったのか、真の目的が分かってくる頃には感動を覚える、そんな一冊でした。

※以下、多少のネタバレありです。

若林正恭著『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

著者:若林正恭(オードリー)
発行日:2020年(文庫本)
出版社:文藝春秋
ジャンル:エッセイ、旅行記
その他:第3回斎藤茂太賞受賞

あらすじ・概要
第3回斎藤茂太賞受賞! 選考委員の椎名誠氏に「新しい旅文学の誕生」と絶賛された名作紀行文。

飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。

特別書下ろし3編「モンゴル」「アイスランド」「コロナ後の東京」収録。解説・Creepy Nuts DJ松永。

いざキューバへ! ぼくは今から5日間だけ、 灰色の街と無関係になる。 ロングセラー傑作紀行文 書下ろし新章 モンゴル/アイスランド/コロナ後の東京

俺は誓いました。 あなたのように 生々しく生きていこうと。 (Creepy Nuts DJ松永「解説」より)

個人的な感想などなど。。

1.キューバ旅行の本当の意味が分かるにつれ、感動に包まれる

以前から旅行記を読むのが好きで、これまでも何人かの旅行記、旅行にまつわる小説を読んできました。そんな中でこの『表参道のセレブ犬~』は、日本で生活することが息苦しく、疑問を抱くことが多い毎日を過ごしていた彼の目線にとても共感させられます。彼の目を通して描かれるキューバのヒトやモノ、日本との対比がツッコミ目線で面白いです。また僕自身も社会や周囲との関係において抱いている思いと共鳴し、楽しいだけでなく深く頷きながら読むことが出来ました。

キューバ旅行は、若林さんの(卒業したと明言していますが)人見知りキャラと、キューバ人のアミーゴ的なテンションとの対比を挟みながら進んでいきます。日頃息苦しさを感じる日本から離れキューバ人の気持ちの温かさに触れた若林さんが、どんどんとヒトっぽさを取り戻しアクティブになっていくのが文面からも読み取れます。

キューバ人なのに人見知りの通訳さん、エダジマと命名されたキャラの濃いおじさん、などなど。出てくる人たちは様々であれど皆、ナイスガイで心の通った生き様を感じました。物質的・経済的には日本に比べて貧しいのにも関わらず、日本では得られることのないプライスレスな豊さを得られるキューバは非常に魅力的に映りました。

そして最終章になるにつれ、この旅の本当の理由が見えてきます。僕は彼のラジオリスナー(リトルトゥース)であるという事も含め、彼のパーソナリティを多少は知ったつもりでいました。そんな僕でも知らない彼の胸の内を知るうちに、とてつもない感動に包まれている事に気付きました。

ネタバレになるのですが、そこには家族や特に父親との関係が描き出されています。大人になると親との距離に悩み、さもすれば素っ気なく、照れくさくなってしまうものです。しかしそれでは遅い事、今ならまだ出来る事が有るのです。そんな当たり前だけど全然気づけない事に関して、このエッセイを通して気付くことが出来ました。

2.純粋にキューバ旅行記として楽しめる

1人旅好きや自分の知らない土地を見てみたいという人にとっては、純粋に旅行記として楽しく読めるものになっていると思います。一人旅の地を選ぶ際、アジア各国と違ってキューバ旅行は中々にハードルが高いというのが僕の認識でした。そんなキューバを若林さんの目線でとらえ、そこでしか出会えない様々な人たちと出会い、心の中で突っ込みを入れる。若林さんは「ツッコミ一人旅」という新たなジャンルを開拓したと言えます笑。

また近年のキューバは、アメリカとの国交が回復していくなかで50年以上持続していた独自の文化や風土が、これから失われていく可能性が高いということです。アメリカとの国交が有った50年以上前で時間が止まったような街並みが魅力の一つであるキューバ。当時のクラシックカーが街を走り、独自の食文化や伝統がいまだに人々を支えるような時代が、国交正常化に伴ってどんどん変わっていく過渡期であると言えます。

簡単に言えばアメリカを代表とする資本主義文化が流入されていき、利益優先でファストフードとスマホに溢れる街並みになってしまう可能性が高いのです。そういった流れのさ中にあるキューバへ今行くという事は、とても貴重な体験であると言えます。

3.文庫本だけの特別書下ろし新章あり 

僕はハードカバーで出版された当初に購入し、今回文庫本で再度購入しました。その理由は文庫本には特別書下ろしの「モンゴル&アイスランド旅行記」が追加されていたからです。ですので今後購入を考えている方は、文庫本(もしくはkindle)を購入された方が良いと思います。どちらの旅行もラジオのトークで触れていましたが、やっぱり文章と写真で見る方が詳細まで楽しめると思いますしね。

以上、良かったら参考にしてみてください。

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