GloryDazeDays

日々のワクワクを受信・発信したい。ぼんやりとした日常を楽しく前進していきたい。

ベタな行動が出来ないノリの悪さで毎度のこと損をしている。

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[http://photo credit: Neil. Moralee Proper job. via photopin (license):title]

日曜の夜も7時を過ぎたころ、買い物終わりにとなり街で一人飲んでいた。

そこは立ち飲みの居酒屋で、僕は常連ではないものの、多少は店員さんに顔を知ってもらえる程度の存在だった。

いつも見かける常連さんたちがいて、その他にも数名のお客さんが入っていた。

日曜の夜にしては良い客入りで、安定した人気を感じられる店だった。

彼らはそれぞれが一人で、それぞれのペースで、それぞれの酒を楽しんでいた。

そして店員さんとの関係性から、僕よりも通ってる人たちなんだろうなぁという印象だった。

 

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そんな中、急に一人の常連さんがまあまあの大きな声で、呼びかけた。

実は自分はこの店の系列店の仕事をしていて、酒蔵さんが今日遠くから来ているので、皆さんよかったら(無料で)試飲してくれないだろうか。

という感じで、その場にいたお客さんはそれぞれ軽く頷いたり、笑ったり、概ね同意したという雰囲気でその場は進んでいった。

 

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その酒蔵さんが挨拶をして入ってきて、それぞれの人の前でお酒の説明をしていた。

その順番が自分の番になり、僕の前でお酒の説明をしてくれて、一杯いただいた。

甘みのある日本酒で、普通に美味しかった。

その酒蔵のチラシをもらい、更に説明を受けた。

僕は人見知りというか、知らない人が短時間で距離をつめて来るのが苦手で、またその日のテンションがそこまで高くないというのもあって、あまり笑顔が出来なかった。

ただ全くもって嫌な訳じゃなかった。

 

そして、その方に謝られてしまった。

せっかく楽しんでいたのに気分を害して申し訳ない、と。

全くそんなことはなかったし、むしろお酒の知識は聞いていて楽しさもあった。

その辺を伝えたけれど、僕の拙い説明が伝わったかどうか微妙だった。

 

そのとき、向こうのお客さんが「そのお酒を買うよ!」と声を掛けた。

試飲したお酒は小瓶のタイプで、購入して持って帰るのに問題ないものだった。

そういった声が2、3箇所で響いた。

僕はそのとき、

「あ、こっちにもお酒ください、僕も1つ買いますよ!」

とは言えなかった。

そんな風に、周りに乗っかるベタなノリがいつも出来ない男なのだ。。。

そして試飲という共通点や、普段ないイベント的な楽しさからか、別の常連さんたちはちょっと盛り上がっていた。

というか、僕以外が何となく仲良くなっていた。。。

 

こういう経験って今に始まったことじゃないけど、やっぱり今回も寂しかった。

新しく入ったバイト、新年度のクラス替え、予備校入学、高校から大学、教習所、新たな環境にわが身を置くとき。

初めはみんなよそよそしい雰囲気や、何となく伺うような態度や、お互いの探りあいがある。

でも、はたと気づくと僕を取り残して、みんなそれなりに仲良くなっているという状況が良くあった(というか、今でもある)。

スカしたり、いきがっているわけじゃないし、真面目に挨拶もするのだけれど、後から聞くと僕からは友達を欲していない空気を感じていたのだそうだ。

寧ろ積極的に隣の人に話しかけたりする方なのだけれど、最初の最初はみんなよそよそしく、目を合わせてくれなかったり、あまり打ち解けてくれない。

そういった相手の対応に失望して、僕はその後から一人で全部やろうとしてしまう。

そして一人で動いている間に、みんな当初の探りあいも無くなり、打ち解け始める。

その梯子を外された様な状況に不貞腐れ、自虐的に遠慮がちになり、更に一人を貫いてしまう。

そして友人を求めているはずなのに気づけば一人ぼっちの、友情ジプシーのような男が毎度出来あがってしまうのだ。

 

今回だって、この試飲をきっかけにして、隣のお客さんに話しかければよかったはずだ。

でもしなかったし、出来なかった。

なんかそうやってアピールしたり、状況に応じて振舞おうとすることが、非常に苦手なのだ。

もっとベタに、みんなと同じように流されてもいいのに。

流行に乗っかってもいいのに。

場の求めているものが分かっているはずなのに。

 

僕が一人で外で飲んでいることの半分以上なんて、承認欲求から来るものだろうに、とも思う。

結果いつも、陰気な男になっているなぁとも思う。

そしてしばらく飲んで外へ出た。

ほろ酔いのいい具合に仕上がっていた。

身体はほんのりと温かかった。

だけど一抹の寂しさは埋まらなかった。