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ANNIHILATOR 4thアルバム『KING OF THE KILL』鬼才ジェフ・ウォーターズのソロ色の強い良作。

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『KING OF THE KILL』はカナダのスラッシュ・メタルバンド「ANNIHILATOR(アナイアレイター)」が1994年に発表した4枚目のアルバムです。

前作からほとんどのメンバーが抜けてしまい、ギタリストでリーダーのジェフ・ウォーターズがドラム以外の楽器とヴォーカルを録って作り上げた作品。

前作3rd「SET THE WORLD ON FIRE」が非常に好評だったためか、その影に隠れがちではありますが、サウンド、メロディ、共にクオリティが高く個人的なお気に入りの1枚です。

ANNIHILATOR 4thアルバム『KING OF THE KILL』

<アルバム曲目>

01. The Box
02. King of the Kill
03. Annihilator
04. Bad Child
05. Only Be Lonely
06. 21
07. Bliss
08. Second to None
09. Hell Is a War
10. Speed
11. In the Blood
12. Catch the Wind
13. Fiasco (The Slate)
14. Fiasco
15. Hell is the War

※現在発売されているモノはいつの間にか曲順が異なったバージョンになっている模様。経緯は分かりませんが、ジェフの意図なんでしょうかね。

リリース:1994年
■スタジオ:Watersound Studios
■レーベル:Hypnotic/CMC International
■プロデュース:ジェフ・ウォーターズ
■メンバー
 Vo、Gt、Ba:ジェフ・ウォーターズ
 Dr:ランディ・ブラック

King of the Kill - Wikipedia

個人的レビューその他もろもろ  

リーダーのジェフ・ウォーターズがドラム意外の楽器とヴォーカルを撮り、ほとんどジェフのソロ作品のような一作。これまではランディ・ランペイジなどクセのあるヴォーカルがその楽曲を歌い上げていましたが、ジェフのそれはメタリカのジェイムズを髣髴とさせる、男臭さの中に憂いがあって悪くないものです。

アナイアレイターの個性として、おどろおどろしい西洋のホラー感というのがあって(特に初期)、シャウトを多用するヴォーカルスタイルとマッチしていたように感じましたが、本作のような複雑さを抑えがちな王道メタルだと、ジェフのヴォーカルがうまく合っているように思います。

個性的にザクザクとリフを刻みながら進む、アナイアレイター節のスラッシュメタルは勿論、メロディックなミドルチューンや名バラードも収録されており、バラエティに富みながらもちゃんと彼らのアイデンティティに触れることができます。

何故だかあまり評価されていないアルバムだけれど、アナイアレイターの歴史の中で中期を代表するいいアルバムだと思うのですけれどね。 

個人的オススメ曲

 #02「King of the Kill」

本作のタイトルトラックであり、これぞジェフ・ウォーターズ節!!というクールで正確無比なリフをザクザクと刻みながら、攻撃性を持って進む曲です。その割にサビは歌いやすく「KILL!」の部分では全員盛り上がる。声がジェイムズ(メタリカ)によく似てるなーって思うけれど、やっぱ影響されて似せてるのかなぁ。

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#05「Only Be Lonely」

アナイアレイターというスラッシュ・メタルバンドの別の一面は、ソングライティング能力の高さと、特にバラードに秀でた部分だと思っています。この曲はシンプルかつ美しいメロディーと、穏やかながらも涙腺の緩むギターソロが大のお気に入り。僕の青春の一曲でもあり、歌詞はかつての友情を歌った曲です。歌詞にある「Good friends are hard to find, believe me it's true」とは本当だなぁと思いながら大学時代一人でマックポテト(L)をモソモソ食っていたものです。

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#11「In the Blood」

こちらもバラードナンバーではあるものの、#05に比べてダークな雰囲気のある曲です。ジェフのギターも控えめで、ヴォーカルを前に出した歌物な曲という印象です。ソロ色の強い本作だからこそ、スラッシュ寄りでない曲を多く載せられたか。それともレコード会社の要望で第二の「Phoenix rising」(前作のヒットナンバー)を作ろうとしていたのかそれは不明だけれど、僕はこのダークで寂寥感のある雰囲気が好きですね。

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