[http://photo credit: PeterThoeny A glass of water and bokehlicious bubbles via photopin (license):title]
金曜の朝、客先から連絡があった。
ウチの会社が担当したモノに不具合があって、昨日から困っているという連絡だ。
前日の時点で僕には6回くらい電話があった。
その電話を引き継いでいた事務所の人間は、なにやらヤバそうだという感じでざわついていたようだった。
そしてそのざわつきが、部署のトップに伝わっていた。
僕と課長は午後から急遽山梨へ向かった。
他の仕事をしていた僕は、今日中に終わらせなきゃならない仕事に追われていた。
来週頭には、お客さんが来社する。
それまでに仕様を満たしたデータを取らないとならない。
提出する書類を作成しないとならい。
一緒に作業をしている後輩にいろいろと教えないとならない。
でもそんなことは別として、上からの圧力もあって、僕は山梨へ向かった。
昼食もとらずに。
ちなみに金曜は月末だった。
お客さんは本当に小さい零細企業(でも社長は羽振りがいい)で、ウチの会社の問題で製品が作れなくなっていた。
納期は月末らしい。
ぶっちゃけ、ウチのせいで、大変なことになっていた。
2時間くらいして、山梨の客先へ到着した。
怒られるのかと思いきや、迅速な対応と感謝してくれた。
前回行ったときにお世話になった、地元のパートのおばさんたちには、すぐにまた戻ってきたことをいじられた。
正直、よく分からない不具合だった。
現象としても、起きたり起きなかったり。
でも何となくコレで動作は問題なくなったところまで、一応やった。
それは、お互いに根本的な原因が分からず、ちょっとモヤモヤするけれど、仕方ないけれどそれで使ってくださいという、かなり強引な妥協案で終わらせた感じだったけれども。
僕は中途半端な感じで終わらせて帰るという、罪悪感というか、不完全な感じというか、煮えきらない気持ちのまま終わらせた。
山梨を出たのは、7時半を過ぎていた。
田舎の空は、真っ暗だった。
会社に戻り、雑務をして会社を出たのは10時を過ぎていた。
一緒に仕事をしている後輩にいろいろお願いしていたが、やってくれたのは2割程度だった。
僕は来週からの事を考えたらなんとも憂鬱になった。
とはいえ、この時間から仕事をさせてもらえる訳もなく。
昼間より冷えたものの、ぬるい夜の空気の中、原付を走らて家に向かった。
土曜の昼に、会社へ向かった。
仕事用のPCを持ちかえるためだ。
本当は禁止されているが、どうしようもない。
土曜日はそれなりの人が出勤していた。
隣接する大企業の駐車場には、1つも車が無かった。
昼過ぎから、家で仕事をしていた。
会社や業務に対する不満もあって、全然進まなかった。
何をやっているのだろう。
何がしたいのだろう。
例えば仮に、土日は休みだから仕事しませんでしたといって、翌週になったらどうなるのだろう。
来社したお客さんになにも提出することもできず、それでもいいのだろうか。
とはいえ、そこまで図太く生きることもできず。
割り切って持ち帰った仕事を軽々こなすこともできず。
思ったよりも全然進まなかった。
気づけば夜になっていた。
土日の約束もキャンセルした割りに、何も達成感がなかった。
飯がてら一人飲みに行こうかとも考えた。
でも何か紛らわすだけになりそうで。
夜の外は意外と冷えていた。
何だかなぁ、こんな生活のまままた1つ年を取るのだろうか。