出来杉君たちのバンドに今必要なことを考えてみた。
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Dream Theaterの13thアルバム『The Astonishing』については以前レビューを行いました。
ここのところ散々聴いているのですが、何となく分かってきたことがあるのです。
僕のこれまでの意見は、新作は悪くないけれど何か足りない。
コンセプトアルバムとしてストーリーが難解かつ超名曲が無い。
という意見でした。
コンセプトアルバムの弱点
コンセプトアルバムは通常のアルバムと比べて、全曲を通して聴くことを想定されたアルバムです。
なぜなら初めから終わりまで物語が繋がっており、製作者はアルバム全体で1つの「絵」を描いている以上、リスナーにも同じ「絵」を見ることを少なからず求めているからです。
だからこそ、それにハマることが出来れば他の作品よりも深く味わうことが出来るという強みがあります。
しかし、それはハマらなければ攻撃力が弱く、訴えかけるものが少ないという諸刃の剣でもあります。
テレビ版の30分で完結するドラえもんなのか、映画館で見る大長編ドラえもんなのか、飽きたらつらいのは大長編の方であるのは明白だと思います。
2枚組みで長いのに全体の統一感を意識しすぎた
今回のアルバムはヴォーカルのジェイムズ・ラブリエが様々なキャラクターの立場で歌を歌いあげており、ヴォーカルアルバム的要素が強いです。
そのためテクニカルでスリリングな楽曲は少ないように思います。
加えて2枚組みであり、日常で聴く場合は全編通して聴くのは辛いです。
社会人が通勤で聞くとなれば、2枚組みはやはり長いと感じる人の方が多いのではないでしょうか。
前作を超えるという芸術家の使命
コンセプトアルバムとして、彼らには超名作の5thアルバム「Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory」があります。
また、忘れがちですが6thアルバム「Six Degrees Of Inner Turbulence」の2枚目も全編を通して1連のストーリーアルバムであり、これもコンセプトアルバムと言えます。
本作がそれら作品を凌駕できるのかといえば、非常に難しい問題だと思います。
0点のテストの次に40点を取ったら優秀だけど、98点の次に83点をを取っても微妙な評価なのと同じですね。
結局これは「出来杉君の悲劇」だとも言えます。
彼らは全員が優秀すぎるが故に、これまでも一切妥協せずにその時の完璧を毎回追求してきました。
それは芸術家としては当たり前のことかもしれないですが、「前作を超える」という芸術家のもう一つの使命を全うするという部分でインパクトが弱かったと言えます。
非常に残酷な世界ですね。
これは「のび太と鉄人兵団」くらい残酷です。
解決策を考えてみた
僕が提唱したこの「のび太・出来杉君問題」に対する1つの解決策を考えてみました。
今のドラえも・・ではなくドリームシアターは民主的すぎると思うのです。
ギターのペトルーシとキーボードのジョーダンが主導権をとり、そこにヴォーカルのラブリエが加わり、新参者のドラムのマンジーニは控えめに、ベースのマイアングはただ佇んでいるだけってのが今の状態だと予想しています。
だから今こそ求められるのは、全てをぶっ壊して自分通りに進める事の出来る男「ジャイアン」が必要なのではないかと思うのです。
そう、彼は以前このバンドのリーダーであり、バンド名の名付け親でした。
あまりの自分中心すぎる発言とその見た目から、日本のファンからは愛情も込めて「ジャイアン」と呼ばれていました。
その男こそ、前ドラムのマイク・ポートノイ。
腕にカタカナで「マイキー」と彫ってある男です。
彼ならこのアルバム製作中に「ダメ!」と言えたのではないでしょうか。
新作は全然悪くはない、テクニカルでドラマティックです。
でも何か違うのです。
僕は聴き込んだ今でもそう感じます。
だから僕は、今でも往生際悪く彼の復帰を望んでいるのです。
みんな彼を「ジャイアン」だからって悪く言いすぎないでください。
彼ってば、ピンチの時には必ず超イイ奴になるじゃないですか!
ちなみに、前ヴォーカルのチャーリー・ドミニシ。
彼は今、ぽっこりと太ったお腹をしており、まさに見た目が「ドラえもん」になっているのは何かの運命なのかも知れません。
前ヴォーカリストのチャーリー・ドミニシ
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