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HELLOWEEN 3rdアルバム『Keeper Of The Seven Keys Part2』現在も語り継がれるジャーマンメタルの名盤。

Keeper~Part1の成功から1年、今でも語り継がれる名盤の完成

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時にミュージシャン達は、思いがけないタイミングで才能がぶつかり合い、非常に素晴らしい作品を作り上げることがあります。

いわゆる「ケミストリー」と呼ばれる現象であり、様々なバンドが名盤を生み出す瞬間でもあります。

Keeper~Part1ではカイ・ハンセンの土壇場という印象も拭えませんでしたが、このPart2ではカイ、マイケル・ヴァイカート、マイケル・キスクの3名が均等なバランスで力を及ぼし、数々の名曲を作っています。

またバンド内のパワーバランスも、これまではカイを中心としたものから3人の発言力が強く現れ、各自の個性が際立つ作品となりました。

 

HELLOWEENKeeper Of The Seven Keys Part2』

曲目:

01.Invitation

02.Eagle Fly Free

03.You Always Walk Alone

04.Rise and Fall

05.DR. STEIN Dr. Stein

06.We Got the Right

07.March of Time

08.I Want Out

09.Keeper of the Seven Keys

10.Save Us

リリース:1988年11月

スタジオ:Horus Sound Studio

レーベル:ノイズ・レコードビクターエンタテインメント

プロデュース:トミー・ハンセン

メンバー:

Vo:マイケル・キスク

Gt:カイ・ハンセン

Gt:マイケル・ヴァイカート

Ba:マーカス・グロスコフ

Dr:インゴ・シュビヒテンバーグ

守護神伝 -第一章- - Wikipedia

 

レビューと感想

1988年11月に発売された3rdアルバムであり、前年Keeper~Part1に続く2枚目のアルバムになります。

邦題は「守護神伝 第二章」、アルバムタイトル、ジャケットともにPart1を踏襲したものになっています。

このアルバムと前作で「ジャーマンメタルとはどういうものか」という定義が出来上がったように思います。

・1曲目はアルバムの始まりを告げる壮大なインスト

・2曲目は疾走感のあるメロディックなキラーチューン

・ポップとメタルの丁度よいバランス

・早いツーバスドラムに、マイナースケールを多用したツインリードギター

・隠し味にキーボード

 今でもジャーマン系、メロスピ系と称されるバンドは大体このような曲調であり、曲展開なのですが、それがこの時代に確立されているというのがスゴイ。

本作品は1987年発売ですが、1986年はアイアンメイデンの「サムホエア・イン・タイム」、メタリカの「メタル・マスター」が発売されており、メタルの名盤が溢れんばかりの時期でした。

これら世界的なメタルの追い風が、ジャーマンメタルの名盤を生み出すひとつの後押しになったのかも知れません。

 

曲構成は1曲目「Invitation」からの2曲目「Eagle Fly Free」の流れは本当に圧巻です。

「Invitation」はKeeper~Part1の1曲目「Initiation」と掛かっており、2枚組の統一感が伺えます。

2曲目「Eagle Fly Free」はメタルファンなら誰しもが聞いたことのある超名曲、マイケル・ヴァイカートの天才的な作曲能力に酔いしれることができます。

この曲、注目すべきはギターソロだけでなく、ベース、ドラムソロが盛り込まれている点です。

ギターソロ、ベースソロ、ドラムソロ、ツインギターソロ、クライマッックスに向かうコーラスと、どこを取っても素敵な展開。

そしてマイケルキスクのどこまでも伸びィィィーーーーーるヴォーカルが素晴らしい。

またポップでコミカルというハロウィンの一面が光る4曲目「Rise and Fall」5曲目「DR. STEIN Dr. Stein」も楽しい。

カイの作曲能力も一層際立ち、ドラマティックな7曲目「March of Time」8曲目「I Want Out」は大好きな曲。

僕個人はこれら楽曲の中で、やはりカイ作曲のものが好きであったことが、後のガンマ・レイ好きに繋がっていくのです。

そして9曲目「Keeper of the Seven Keys」は14分ある大作であり、壮大な一大絵巻を観ているかのようです。

曲の内容は鍵の守護神である主人公が鍵を7つの海に投げ入れて封印し、世界を悪魔から開放するするといったもの。

ヴァイカート自らもこの曲は自分のセラピーの様であったと後述しており、過度のスケジュール、プレッシャー、人間関係に疲弊してながらもこの名曲を作り上げたのです。

 

多くのバンド同様、歴史的名盤を作った後に待っていたのは名声だけではありませんでした。

それを超える作品を作るという過度のプレッシャー、ギクシャクした人間関係、レーベルの無茶な要求やアメリカ市場向けの戦略といったものに巻き込まれていきます。

カイ、ヴァイキー、キスクの奇跡的なケミストリーが再び得られることはなく、リーダーであったカイ・ハンセンは体調不良等を理由にこのアルバムを最後にバンドを脱退してしまいます。

あともう一枚、このメンバーでアルバムが出来ていたら、、、と思うと残念でなりません。

しかしメタル、特にメロディックな作品を聞きたいという方が居るなら、まずはこのアルバムをお勧めします。

メロディックスピードメタルのお手本であり、今聞いても色あせない名曲で溢れています。

 

☆個人的オススメ曲☆

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