GloryDazeDays

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ANGRA 1stアルバム『ANGELS CRY』彗星の如く登場した、若きブラジルの至宝ANGRAのデビュー作。

ブラジルが産んだ最大のメロディック・スピードメタルバンド

『ANGELS CRY』はブラジルのメロディック・スピードメタルバンド「ANGRA(アングラ)」が1993年に発表した1作目のスタジオアルバム。

ヴォーカルの「アンドレ・マトス」はこのバンドを結成する以前、わずか16歳でデビューした「VIPER」というメタルバンドでもヴォーカルを務めていましたが、音楽性の違いとクラシック音楽の勉強のため脱退します。

その後彼は、自らの信じる音楽を作るため奔走し、メンバーを集めます。

そしてこの、ブラジル神話の「火の女神」を意味する「ANGRA」が誕生しました。

音楽のスタイルは80年代からドイツを中心に広がっていった、いわゆる「ジャーマン・メタル」と呼ばれるモノにクラシック音楽やブラジルの民族音楽をエッセンスとして加えているのが特徴です。

「ジャーマン・メタル」とはマイナースケールを多用したメロディックでスピード感がある曲調を中心に、サビは皆んなで歌わずにはいられないシンガロングスタイルを持った曲・バンドを指します。

が、今ではドイツに限らずにこれらジャーマン系と呼ばれるバンドは世界中に存在し、ワールドワイドに市民権を得ています。

そのため今では「メロディックスピードメタルメロスピ」と呼ばれているのですが、ワールドワイドに広がる一翼を担ったのは、彼らの功績があったからだと言えます。

2019年6月8日にアンドレ・マトスが心臓発作のためこの世を去りました。

その早すぎる死を悼むとともに、ご冥福をお祈りします。

This life is forcing us to stay
"For how long?"

lyric by "carry on"

amass.jp

ANGRA 1stアルバム『ANGELS CRY』

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■アルバム曲目
01. Unfinished Allegro
02. Carry On
03. Time
04. Angels Cry
05. Stand Away
06. Never Understand
07. Wuthering Heights
08. Streets Of Tomorrow
09. Evil Warning
10. Lasting Child
      I-The Parting Words
      II-Renaissance
■リリース:1993年11月3日
■スタジオ:ハンセン・スタジオ
■レーベル:Victor
■プロデュース:チャーリー・バウアーファイント、サシャ・ピート
■メンバー
Vo、key:アンドレ・マトス
Gt:キコ・ルーレイロ
Gt:ラファエル・ビッテンコート
Ba:ルイス・マリウッティ
ゲストミュージシャン
Gt:カイ・ハンセン(ex. HELLOWEEN, GAMMA RAY)
Gt:ディルク・シュレヒター(ex. GAMMA RAY
Dr:トーマス・ナック(ex. GAMMA RAY
Dr:アレックス・ホルツヴァルト(ex. RHapsody)

個人的レビューその他もろもろ

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このアルバムが発売されたのは1993年。

それはまさしく僕が偉大で崇高なハードロック・ヘヴィメタルの門をくぐった歳でした。

まずは#01「Unfinished Allegro」からの超名曲#02「Carry On」の怒涛の流れで僕を含む全メタルファンは一発でノックアウトされた事でしょう。

#01はクラシックで有名なシューベルト作曲の「未完成交響曲」をフューチャーしたイントロ。

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それはまさに、現時点の自分たちを形容するかのような「未完成」という表現。

若さと才能を兼ね備えた彼らは現時点では満足できず、無限大の可能性を確信しているが故の、逆説的な表現とも受けとれます。

これからの偉大な未来に思いを馳せるような、そんな若さと自信に溢れたイントロダクション。

そこからの超名曲の#02はテクニカルなユニゾンのイントロから、超高音ハイトーンヴォイスで進んでいきます。

"carry on"すなわち"進み続ける"、人生の応援ソングともいうべきこの歌詞には十代の多感な時期だけではなく、今も時折励まされます。

アンドレ・マトスが高音部で時折裏返す歌い方に違和感を感じていた頃もありましたが、今聞くと慣れてしまったのか気にならない。

タイトルチューンの#04、ケイト・ブッシュのカバーを(多分)原曲キーで歌った#07、元気な勢いの割にマイナーな#08、最初から最後まで拳を握りしめたくなる熱いメタルソングの#09、ラストを締めくくるクラシカルで美しい#10。

若さと勢い、そして才能とタレント性、メタル音楽市場も活性だった時代の風も引き受けてデビューと共に開花した稀有な例であり、まさしくメタル史に輝く90年代の名盤です。

個人的オススメ曲

#02「Carry On」

メロスピのお手本のような曲で、いつ聴いてもガチで熱くなれる神曲

#01のクラシカルな雰囲気から一転、メタルに切り替わるところがカッコいいので連続して聴いて欲しい。

イントロのツインギターとキーボード、Aメロ、Bメロ、サビ、ギターソロ、全てが完璧。

朝寝坊してもコレ聴きながらテンション上げてチャリをこげば遅刻知らずだった高校時代、脳内にドーパミンが大量放出されていたんだろう。

唐突な終わり方だけ残念なのだけれど、これこそが未完成(交響曲)って事なんでしょうか。。。

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#09「Evil Warning」

クラシックとメタルの融合、キコとラファエルのギターソロめっちゃカッコいい。

若いのにやるよなぁ。

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