GloryDazeDays

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ルーク・ペリーよ安らかに、ディラン・マッケイよ永遠に。。。

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 90年代に若者を中心に一斉を風靡したアメリカの青春ドラマに「ビバリーヒルズ高校白書」(後に青春白書、通称ビバヒル、海外では90210と呼ばれていた)がある。

僕が海外ドラマにはまったきっかけは、まさしく当時NHKで放送していたこの「ビバヒル」と医療系ドラマの「ER 緊急救命室」だった。
 
特にビバヒルは見始めたのが高校生・浪人生くらいだったのもあり、同世代のイケてる登場人物たちが学校や進学、親子関係、恋愛・友情など、青春三昧な人生を悩みながらも仲間たちと共に歩んで行くストーリーにはハマりににハマった。
3倍録画モード(懐かしい)でビデオに録画したものを、飽きることなく毎日繰り返し見ていたものだ。
当時のビデオには日本語と副音声の英語を左右から流す「二ヶ国語」機能なるものが備わっていた。
DVDや英語吹き替えが無い時代、僕は彼らが英語で何と発音しているのか知りたくて、その機能でずっと視聴していた。
嘘みたいな話だけれど、僕はそのお陰で英語のリスニング能力が上がったほどだった。
 
その登場人物の中でも最も好きだったのが、『ルーク・ペリー(Luke Perry)』演じる『ディラン・マッケイ(Dylan Mackay)』だった。
イケメンでリッチ、愛に飢えた孤独を抱えるアウトローの彼は、多感なティーンエイジャーたちには大いに訴えかけるものがあったのだろう。
当時ジェームス・ディーンの再来と言われた彼は、サーフィンで鍛えた身体と長い手足を持ち、デニムにTシャツだけなのにめちゃめちゃ格好良かった。
そんな彼お得意のセクシーな表情は、オデコから眉毛そして目が決め手となる。
オデコにシワを寄せ、眉尻を下げながら、睫毛の長い寂しげな目で真っ直ぐに相手を見る。
こりゃー、アメリカ全土の女子がパニックになる訳だよなぁと思った。
 
彼の右眉には、カッコいい感じのキズがあった。
僕も左眉にうっすらとだが、小さい頃に階段から落ちて出来た傷があった。
彼は第3シーズンあたりから、イケメンなのにオデコが怪しくなってきた。
僕も当時、遺伝による生え際の後退に一抹の不安を抱えていた。
彼の演じるディランは、劇中で父親とずっと仲たがいをしていた。
僕も随分と長い間に渡り、父親と不仲であった。
そういった無理やりな共通点を見出したくなるほど、彼は僕にとっても本当に魅力的な存在だったのだ。
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数日前、彼が52歳で亡くなったという訃報を聞き、ショックを受けた。
どう考えても早すぎる死だ。
今年3月に入って、当時のビバヒルのメンバーを集めて新たな続編を作るという発表があったばかりだった。
そのニュースを知ってからは、彼も参加するのかどうか気になっていたところ、別のニュースが飛び込んできた。
それは彼が脳梗塞で入院したというニュースだった。
それから本当にあっという間だった。。。
ビバヒルが終わってから、彼の作品が全て日本で見られる訳ではなかった。
でも僕は常に、今彼が何の作品に携わっているのかを定期的にネットで確認していた。
OZ、Jeremiah、ハリーケーン・チェイサー、フィフス・エレメント、、、。
 
彼は年齢を重ねても太る事無く、体型も額の後退も思いのほかキープしていた。
当時からのおでこの皺も、加齢による渋さと相まって深みを増していた。
画面から抜け出したルークは、穏やかな表情をたたえ、常に謙虚な姿勢を保っていた。
こんな大人になれたらカッコいいよなぁ。
ずっと僕は憧れていた。
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僕はディランから
 トライアンフのバイクを
 俯きがちで物憂げなまなざしを
 バイロンの詩を
 バターピーカン味のアイスを
 もみ上げ長めのリーゼントスタイルを
 ベルエイジホテルを
 父親との不仲と和解を
 酒とトラブルを
 友人は少なくてもいい事を
 恋の三角関係を
 アップルフリッターなる食べ物を
自分に関係あるなしに関わらず、とにかく色んな事の影響を受けた。
 
当時はことあるごとに、彼のファッションを真似していた。
といっても、イケメンでスタイルのいい彼は、デニムにシンプルなシャツを羽織っているだけだったけれど。
真似ているのに何故だか、全く似ていなかった。
そして鏡に映った、顔がデカく足の短い自分の日本人体型に愕然とした。
今となって思うに、「なだぎ武」のモノマネを先取りしていたんだろうなって思う。
そりゃ周りには、何だか残念で面白な感じに映っていたんだろう。
、、、それでも僕は、ディランになりたかった。
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彼の俳優としてのキャリアは遅咲きだった。
ビバヒルで大ヒットしたが、当時彼は24歳で高校生役を掴んだのだ。
だから、第3シーズンの高校卒業時は27歳、第6シーズンでビバヒルを一時離れたときは30歳だった。
大学生で20代前半だった僕は、夏季・冬期休暇ごとに放映される一挙再放送を見ながら、モラトリアムと言えるものを感じていた。
それは、ルークがビバヒルを去る30歳になるまでは、自分にもなぜだか猶予があるように感じていた。
その時までには、人生に於いてなんらかの結果が残せているのではないだろうか、と無根拠な予想図を描いていた。
 
みんなが大学を卒業して、自分だけ何で来たんだろうと悩みながら大学院生をしていても。
遅れて就職して、年上の新入社員として同期と微妙な距離感を保ちつつ戸惑っていても。
全部うまくいかず、会社を毎日辞めようと考えていた20代後半も。
まだルークはビバヒルで高校生、大学生をやっていたじゃないか、と。
都合よく、モラトリアムな言い訳を続けていた。
 
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そして気づけばあっというまに、僕は40代に差し掛かる。
彼との年齢差が10歳程度だった事に驚いた。
重ねて思うが、本当に早すぎる。。。
このままだと、あっという間に彼の年齢に差し掛かるだろう。
そのときまでに何ができているのだろうか、あまり自信がない。
 
だが今では、あの頃から比べると大分いい方向に成長できたように思う。
彼のようにずっと仲たがいしていた親父と和解し、今では帰る場所もある。
彼の乗っていたトライアンフには手が届かなかったが、念願のバイクを手に入れた。
彼とブランドンの関係のような、本当に心許せる親友もできた。
彼のようにモテモテ人生は歩んでいないが、それなりに女性とも付き合ってきた。
彼と同じように、もっと一気に後退すると思っていた額も今のところ頑張っている。
 
もう高校生・大学生のように、ドラマの影響を過剰に受けたりすることは無いだろう。
僕もいつの間にか周りと同じ、普通の大人になってしまったようだ。
だけれども、彼に憧れ熱狂したティーンエージャーたちは、きっとどこかで彼を思い出すだろう。
あの頃の音楽やファッションや仲間を思い出すたびに。
あの頃の青春と共に。
そして彼は心の中に、僕を形成したヒーローの1人でいつづけるだろう。
ルーク・ペリーよ安らかに、ディラン・マッケイよ永遠に。